そば(蕎麦)とそばアレルギー
そば(蕎麦)は、アナフィラキシーを起こしやすい食材です
― なぜ「アナフィラキシーを起こしやすい食材」と言われるのか ―
🔍 日本の全国データでの位置づけ
消費者庁が実施している
即時型食物アレルギー全国モニタリング調査(令和6年度、n=6,033)では、
そばは原因食物の上位5位以内には含まれていません。
一方で、毎年一定数の即時型反応が報告されており、
臨床現場では 「頻度は高くないが、重症化しやすい食材」
として認識されています。
📊 実際に、日本の疫学研究では
学校児童10万人あたり約4~60件のそば関連アナフィラキシーが報告されており、
そばアレルギー患者の約半数がアナフィラキシーを経験するとされています。
⚠️ なぜ、そばは重篤になりやすいのか
そばが「アナフィラキシーを起こしやすい」とされる理由は、
アレルゲンたんぱく質の性質にあります。
そばに含まれる主要アレルゲン
(Fag e 1、Fag e 2、Fag e 3 など)は、
・消化酵素(ペプシン)に分解されにくい
・消化管内で抗原性を保ったまま小腸まで到達しやすい
という特徴を持つことが、複数の基礎・臨床研究で示されています。
その結果、
🌾 ごく少量の摂取でも免疫に強く認識され
😨 摂取後数分以内に
皮膚症状、呼吸器症状、血圧低下、意識障害などを伴う
重篤なアナフィラキシーにつながることがあります。
🌏 国際的にも「高リスク食材」
そばアレルギーは、日本・韓国などアジア地域で特に重要視されています。
さらに、
欧州のアレルギー監視ネットワーク(Allergy-Vigilance Network)では、
そばは
・アナフィラキシーの頻度が高い
・症状が重篤
・再発率が高い
という理由から、
表示義務・規制対象食品への追加が提案されている食材でもあります。
🕰️ そばはいつから食べる?
現在のガイドラインでは、
「何歳からそばを食べてよいか」という
明確な年齢基準は示されていません。
しかし、日本の臨床現場や保護者向け説明では、
👶 1歳半〜2歳ごろ以降を目安に
・体調のよい日
・少量から
・日中(医療機関を受診しやすい時間帯)に
と、他の食品より慎重に導入されることが一般的です。
これは、
✔ 少量でも重症化しうる性質を踏まえた安全配慮によるものです。
📝 まとめ
🌾 そばは頻度こそ高くありませんが、
感作された人では少量でもアナフィラキシーを起こしやすい食材です。
年末年始などで食べる機会が増える時期も、
そばは「急がなくてよい」食品のひとつです。
参考文献
・消費者庁
令和6年度 即時型食物アレルギー全国モニタリング調査
・Kajita N, Yoshida K.
Buckwheat Allergy in Asia.
Curr Allergy Asthma Rep. 2024
・Yanagida N et al.
Reactions during buckwheat oral food challenge are rare but often anaphylactic.
Int Arch Allergy Immunol. 2016
・Tanaka K et al.
Pepsin-resistant 16-kDa buckwheat protein is associated with immediate hypersensitivity.
Int Arch Allergy Immunol. 2002
・Sabouraud-Leclerc D et al.
Food Anaphylaxis: Eight Food Allergens Without Mandatory Labelling.
Clin Exp Allergy. 2025
