✈️ 6歳未満(特に2歳未満)の子どもが飛行機に乗るときの注意点

― 航空性中耳炎(飛行機での耳の痛み)について ―

✈️ 6歳未満(特に2歳未満)の子どもが飛行機に乗るときの注意点

― 航空性中耳炎(飛行機での耳の痛み)について ―

飛行機の離着陸では気圧が急に変化します。
大人は「ごくん」「あくび」で耳抜きができますが、乳幼児は耳管(耳の奥と鼻をつなぐ細い管)が未熟なため、うまく圧を調整できず、耳の痛み(航空性中耳炎)が起こりやすくなります。

特に2歳未満では発症率が高いとされ、6歳頃までは注意が必要です。

参考)航空性中耳炎と急性中耳炎の比較

項目航空性中耳炎(飛行機での耳の痛み)急性中耳炎
原因飛行機の離着陸などによる急激な気圧変化風邪などのウイルス・細菌感染
起こる場所中耳(鼓膜の奥)中耳(鼓膜の奥)
発症の仕組み耳管がうまく開かず、中耳と外気の圧が合わなくなる感染で中耳に炎症・膿・滲出液がたまる
主な症状耳の痛み、耳閉感、鼓膜の出血・穿孔耳の痛み、発熱、鼓膜の発赤・膨隆、機嫌不良
好発年齢乳幼児(特に2歳未満)〜6歳頃まで乳幼児に多い(ピークは1〜2歳)
リスクが上がる条件鼻水・風邪、急性中耳炎の治りかけ、耳管機能の未熟さ風邪、集団生活、受動喫煙
予防方法離着陸時の嚥下(授乳・ミルク・お茶・おしゃぶり)、体調の良い日の搭乗ワクチン、手洗い、母乳栄養、受動喫煙の回避
治療多くは自然軽快、痛みが強い場合は鎮痛薬必要に応じて抗菌薬(年齢・重症度による)

🧠 航空性中耳炎が起こりやすい理由
・耳管が短く、水平で、機能が未熟
・風邪や鼻水、中耳炎のあとで耳管が腫れやすい
・気圧変化に対して中耳の圧を調整しにくい

その結果、離着陸時に鼓膜が強く引っ張られ、痛みや耳閉感が生じます。

🍼 2歳未満の子どもにできる予防策

離着陸のタイミングで「飲む・吸う・飲み込む」を増やす

・母乳・ミルク・お茶などを少しずつ飲ませる
・おしゃぶりを使う
・ストローマグで飲む
→ 「ごくん」「ちゅうちゅう」の動きで耳管が開き、圧が調整されやすくなります。

※ずっと飲ませる必要はありません。
※特に着陸時が最も痛みが出やすいので意識しましょう。

👶 1〜6歳の子どもにできる予防策

・水分をこまめに飲む
・ラムネやボーロなど、誤嚥しない範囲の“もぐもぐ”できるおやつ
・おしゃぶり
→ 飲み込む・噛む動きが耳管を開きます。

🚫 避けたほうがよいこと

・風邪や鼻水が強いときの搭乗
・急性中耳炎の治りかけ(耳管がまだ腫れているため)
・鼻づまりの薬の使用や抗ヒスタミン薬の予防使用
→ 小児では効果が示されておらず、副作用がでる可能性があります。

🩺 中耳炎の既往がある子は特に注意

急性中耳炎のあとや、くり返す子どもは耳管の働きが弱くなりやすく、
航空性中耳炎のリスクが高くなります。

・症状が落ち着いてからの搭乗が安心
・必要に応じて耳鼻科の先生に相談を

🧳 飛行機に乗る前にできること

・体調が良い日に搭乗する
・鼻水が多いときは、事前に鼻をやさしく吸っておく
・着陸前に子どもを起こしておく(寝ていると飲み込む回数が減るため)

📚 参考文献(一般情報として)

・American Family Physician: Medical Advice for Commercial Air Travel
・CDC Yellow Book: Air Travel with Children
・The Journal of Laryngology & Otology: Otic Barotrauma
・Pediatrics / Otitis Media Guidelines
・NEJM: Otitis Media in Young Children