🤮 感染性胃腸炎にかかったときの嘔吐物・便の処理と消毒方法

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどによる感染性胃腸炎では、嘔吐物や便に多くのウイルスが含まれています。これらのウイルスはアルコール消毒では十分な効果が期待できないことがあるため、嘔吐物や便で汚染された場所の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用します。

また、嘔吐物などが乾燥すると、ウイルスを含む粒子が空気中に舞い上がり、感染を広げることがあります。乾燥する前に、できるだけ早く処理しましょう。

🧤 まず準備するもの

使い捨て手袋、マスク、使い捨てエプロンまたは汚れてもよい衣類、ペーパータオルや使い捨ての布、ビニール袋、ハイター・キッチンハイターなどの塩素系漂白剤、バケツや計量カップを準備します。

🧴 消毒液の作り方

ここでは、次亜塩素酸ナトリウム濃度が製造時6%の「ハイター」「キッチンハイター」を例にします。

🤮 嘔吐物・便で直接汚れた場所

0.1%(1000ppm)程度の消毒液を使用します。購入から3か月以内のハイターなら、水1Lにハイター約20mLが目安です。

🚪 便座・ドアノブなど

普段手が触れる場所には、0.02%(200ppm)程度の消毒液を使用します。購入から3か月以内のハイターなら、水3Lにハイター約12mLが目安です。

次亜塩素酸ナトリウムは保管期間とともに濃度が低下します。購入から時間がたっている場合は、製品表示やメーカーが示す希釈方法を確認してください。また、希釈した消毒液は作り置きせず、使用するときに作りましょう。

🤮 床などに吐いたとき

使用する消毒液は0.1%(1000ppm)程度です。購入から3か月以内のハイターなら、水1Lにハイター約20mLを目安にします。

① まず窓を開けたり換気扇を回したりして換気し、手袋とマスクを着用します。
② 嘔吐物はペーパータオルで、外側から内側へ集めるように静かに拭き取ります。ゴシゴシこすると汚染範囲を広げることがあります。
③ 拭き取った嘔吐物や使用したペーパータオルは、すぐにビニール袋に入れます。
④ 目に見える汚れを十分に取り除いてから、汚れた場所とその周囲を消毒します。消毒液を含ませたペーパータオルなどで覆うようにするとよいでしょう。
⑤ 十分な時間消毒液を接触させたあと、水拭きします。金属部分は腐食することがあるため、消毒後は特に水拭きをしてください。
⑥ 使用した手袋やペーパータオルはビニール袋に入れ、しっかり密閉して廃棄します。
⑦ 最後に、石けんと流水でしっかり手を洗います。

嘔吐物が乾燥するとウイルスを含む粒子が舞い上がる可能性があるため、乾くまで放置したり、掃除機をかけたりしないようにしましょう。

🚽 トイレを消毒するとき

下痢をしているときは、便座だけでなく、トイレのレバー、ドアノブ、水栓、手すり、照明のスイッチなど、手が触れる場所にもウイルスが付着することがあります。

普段手が触れる部分には、0.02%(200ppm)程度の消毒液を使用します。購入から3か月以内のハイターなら、水3Lにハイター約12mLが目安です。消毒液を含ませたペーパータオルなどで拭き、必要に応じてその後水拭きをします。

便や嘔吐物で直接汚れた場所では、まず目に見える汚れを取り除き、その後、0.1%(1000ppm)程度の消毒液を使用します。ふたのあるトイレでは、ふたを閉めてから水を流すと、飛沫の拡散を減らすことができます。

👕 衣類・シーツに吐いたとき

嘔吐物や便がついた衣類やシーツを扱うときは、手袋とマスクを着用します。ウイルスを含む粒子を周囲に広げないため、衣類やシーツをバサバサ振らないことが大切です。

まず、付着した嘔吐物や便をペーパータオルなどで静かに取り除き、ほかの洗濯物とは分けて扱います。熱水処理ができるものは、85℃以上の熱水で1分以上処理すると有効です。その後、通常どおり洗濯します。

熱水処理が難しい場合でも、塩素系漂白剤を使用できる衣類であれば、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行ってから洗濯します。ただし、色落ちや生地を傷めることがあるため、必ず衣類の洗濯表示と漂白剤の製品表示を確認してください。

洗濯後、乾燥機が使用できるものは、衣類が耐えられる範囲で高温設定にして十分に乾燥させると、さらに効果が高まります。なお、「85℃以上で1分」は熱水による消毒の条件です。乾燥機を85℃に設定するという意味ではありません。

🗑️ 使用したペーパータオル・おむつの処理

嘔吐物や便を拭いたペーパータオル、使用済みのおむつ、手袋などは、そのまま放置せず、すぐにビニール袋に入れてしっかり密閉し、廃棄します。処理後は必ず石けんと流水で手を洗いましょう。

🫧 手指は石けんと流水で

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどによる感染性胃腸炎では、アルコール消毒だけでは十分な感染対策にならないことがあります。トイレのあと、おむつ交換後、嘔吐物や便を処理したあとは、石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。

嘔吐物や便で汚染された環境の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用します。

⚠️ 塩素系漂白剤を使うときの注意

塩素系漂白剤と酸性タイプの洗剤は絶対に混ぜないでください。有害な塩素ガスが発生する危険があります。

使用するときは十分に換気し、手袋を着用してください。また、希釈した消毒液をスプレー容器に入れて噴霧することは避けましょう。

金属部分は腐食することがあるため、消毒後は水拭きをしてください。衣類や布製品では色落ちすることがありますので、使用前に表示を確認してください。塩素系漂白剤や作った消毒液は、子どもの手の届かない場所で使用・保管してください。

🫧 症状が治ったあとも消毒を続けます

感染性胃腸炎では、症状が治まったあとも、しばらく便からウイルスが排出されることがあります。元気になったあとも、トイレ後やおむつ交換後の手洗いを丁寧に行い、タオルの共用を避け、トイレ周辺を清潔に保つことを心がけましょう。


参考文献

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•Rathore MH, Jackson MA, Committee on Infectious Diseases. Infection Prevention and Control in •Pediatric Ambulatory Settings. Pediatrics. 2017;140(5):e20172857.
•Centers for Disease Control and Prevention. How to Prevent Norovirus.
•厚生労働省.ノロウイルスに関するQ&A.
•厚生労働省.ノロウイルスの感染を広げないために.
•厚生労働省.ロタウイルスに関する情報.
•花王.「ハイター」「キッチンハイター」の次亜塩素酸ナトリウム濃度および希釈の目安.