🌡️発熱時の対応

💊解熱剤の使用について🧸

🚨新生児期（生後28日以内）の発熱は特に重要で、原因の特定が最優先です。

⚠️免疫が未熟なため、細菌感染など重篤な病気が隠れている可能性があり、自己判断での解熱剤使用は避け、必ず医療機関を受診してください
🛌目的：体温を下げることではなく、子どもの不快感や活動性を改善すること。
安全性：アセトアミノフェンやイブプロフェンは適切な用量・用法であれば一般的に安全です。
•　年齢別の推奨
新生児期～生後6か月未満：アセトアミノフェンは使用可能（10–15 mg/kg/回、1日最大60 mg/kg）。慎重投与が必要。
•　生後6か月以降：アセトアミノフェンに加え、イブプロフェンも使用可能。
ただし脱水や腎障害がある場合は注意。
🛑禁忌・注意点
アスピリンは小児には禁忌（ライ症候群のリスクがあるため）。
過量投与は肝障害のリスクあり。
•　複数の薬剤併用や自己判断での市販薬使用
は避ける。
エビデンス：解熱剤が病態を悪化させたり回復を遅らせたりする証拠はない。
熱性けいれんの予防効果も示されていない。

参考文献

  1. Tan E, Braithwaite I, McKinlay CJD, Dalziel SR. JAMA Network Open. 2020;3(10):e2022398.
  2. Sullivan JE, Farrar HC. Pediatrics. 2011;127(3):580-7.
  3. Bianchi M, Costa M, Cardinale F, et al. Expert Opin Pharmacother. 2025.
  4. Corsello A, Alberti I, Farhanghi S, et al. Br J Clin Pharmacol. 2025.
  5. Paul IM, Walson PD. Curr Med Res Opin. 2021;37(8):1363-1375.
  6. Purssell E, While AE. J Pediatr. 2013;163(3):822-7.
  7. Russell FM, Shann F, Curtis N, Mulholland K. Bull WHO. 2003;81(5):367-72.
  8. Kramer MS, Naimark LE, Roberts-Bräuer R, McDougall A, Leduc DG. Lancet. 1991;337(8741):591-4.
  9. Meremikwu M, Oyo-Ita A. Cochrane Database Syst Rev. 2002;(2):CD003676.

💡座薬と経口薬の比較💊

💊経口投与（飲み薬）が第一選択。吸収が安定しており、効果発現や血中濃度の予測がしやすい。
投与量の調整が容易で、過量投与や不均一な吸収のリスクが少ない。•保護者が自宅で管理しやすく、国際的にも標準的な投与経路。
🤒 座薬（直腸投与）は嘔吐や経口摂取困難時に有用。
ただし吸収が不安定で効果発現にばらつきがあるため、長期的な第一選択には推奨されず補助的な位置づけ。
ガイドラインやレビューでは「経口投与が基本、座薬は補助的」と明記されている。
📚日本小児科学会の薬用量ガイドラインでも、アセトアミノフェンは経口投与を基本とし、座薬は経口が困難な場合に限るとされている。

参考文献

  1. Arana A, Morton NS, Hansen TG. Acta Anaesthesiol Scand. 2001;45(1):20-9.
  2. Cuzzolin L, Antonucci R, Fanos V. Curr Drug Metab. 2013;14(2):178-85.
  3. Paul IM, Walson PD. Curr Med Res Opin. 2021;37(8):1363-1375.
  4. Sullivan JE, Farrar HC. Pediatrics. 2011;127(3):580-7.
  5. 日本小児科学会『小児薬用量ガイドライン』最新版

🌸解熱剤以外の対処法🍀

•　物理的冷却法：ぬるま湯でのスポンジングや短時間のぬるめ入浴は一時的に体温を下げる効果がある。ただし悪寒や不快感を増やすことがあり、ルーチンに推奨はされていない。
•　入浴・シャワー：全身状態が安定していれば短時間のぬるめ入浴は許容される。38℃以上の高熱時に「必ず禁止」という根拠はない。ぐったり・悪寒・脱水がある場合は控える。
入浴は治療ではなく「快適さの調整」と位置づける。
•　環境調整：涼しい環境を保つ、衣服を減らす、十分な水分補給を行う。
これらは体温低下効果は限定的だが快適性の改善に役立つ。
•　呼吸器症状への工夫：蒸気や加湿、温かい飲み物は鼻閉や咳の主観的な楽さを改善することがある。

参考文献

  1. Meremikwu M, Oyo-Ita A. Cochrane Database Syst Rev. 2003;(2):CD004264.
  2. Axelrod P. Clin Infect Dis. 2000;31 Suppl 5:S224-9.
  3. Purssell E. Arch Dis Child. 2000;82(3):238-9.
  4. Sharber J. Am J Emerg Med. 1997;15(2):188-92.
  5. Okayama M, Igarashi M, Ohno S, Hashimoto A, Kajii E. Fam Pract. 2000;17(4):334-6.