🌿 起立性調節障害(OD)と当院の診療方針について
当院での診療の進め方や治療方針についてご案内しています。
受診される方は、事前にご一読ください。
🌱 起立性調節障害とは
起立性調節障害(OD)は、立ち上がったときに血圧や心拍数をうまく調節できず、さまざまな体調不良が現れる病気です。
小学校高学年から思春期のお子さんに多くみられます。高校生では、男子のおよそ5人に1人、女子のおよそ4人に1人にみられたとする報告もあり、決して珍しい病気ではありません。
☀️ よくみられる症状
🔸 朝なかなか起きられない
🔸 立ちくらみ、めまい
🔸 頭痛、腹痛、吐き気
🔸 動悸、息苦しさ
🔸 疲れやすい、だるい
🔸 頭がぼんやりする
🔸 長時間立っていられない
🔸 午前中に調子が悪く、午後になると元気になる
立っていると症状が強くなり、座ったり横になったりすると楽になることがあります。
朝起きられないことや学校へ行けないことは、単なる怠けや気持ちの問題とは限りません。
🏫 受診を考慮する場合
症状が続き、次のように日常生活に影響が出ている場合です。
🔸 遅刻や欠席が増えている
🔸 学校生活や部活動への参加が難しくなっている
🔸 外出や日中の活動が減っている
🔸 本人やご家族だけでは対応が難しい
ODに似た症状でも、貧血、甲状腺の病気、心臓の病気など、ほかの病気が隠れていることがあります。
🎯 当院の治療方針
起立性調節障害では、体の症状だけでなく、睡眠や生活リズム、体力の低下、学校生活など、さまざまな要因が重なっていることがあります。
当院では、必要な経過や背景は確認しますが、原因を探すことだけに長い時間をかけるのではなく、「今できること」に目を向けて治療を進めます。
🔸 生活リズムをどのように整えるか
🔸 日中の活動をどこから始めるか
🔸 水分や食事をどのように見直すか
🔸 学校とのつながりをどのように保つか
お子さんの現在の状態に合わせて、具体的に取り組めることを一緒に考えていきます。
薬に頼るのではなく、生活全体を少しずつ整えながら、日中に活動できる体を取り戻していくことを大切にしています。
生活上の具体的な工夫や運動の進め方については、受診時に詳しくお伝えします。
日本小児心身医学会の改訂第3版ガイドラインにも、非薬物療法、運動療法、水分・塩分摂取などに関する項目が設けられています。
🩺 当院での診療の流れ
初回と2回目の受診は、「相談・専門外来」の予約枠からご予約ください。
それ以外の予約枠で受診された場合や、当日のスタッフ体制・院内の混雑状況によっては、採血や起立試験を当日に行えず、後日のご案内となることがあります。あらかじめご了承ください。
🔸 初回
症状の経過を確認します。診察と採血を行います。
ほかの病気や、早めの検査・専門医への紹介が必要な症状がないかを確認します。
🔸 2回目
睡眠、食事、水分摂取、日中の過ごし方、運動、学校生活などについて詳しく確認します。
そのうえで、お子さんの状態に合わせた生活上の工夫や、今後の治療方針についてお話しします。
🔸 3回目以降
簡単な問診や記録をもとに症状や生活の変化を確認し、必要に応じて治療内容を調整します。
💊 薬について
必要に応じて、起立性調節障害の症状を軽くする薬や、漢方薬、メラトニンなどを使用することがあります。
向精神薬や一般的な睡眠薬の処方は行っておりません。
精神症状に対する専門的な治療が必要と考えられる場合は、精神科または児童精神科への受診をご案内します。
🌈 経過について
起立性調節障害の経過には個人差があります。
比較的短期間で改善するお子さんもいますが、症状が強い場合や、不登校・長期欠席を伴う場合には、改善までに数年かかることもあります。
成長とともに症状が軽くなり、高校卒業頃までに日常生活を送りやすくなるお子さんも多くみられますが、回復の時期は一人ひとり異なります。
すぐに元どおりの生活へ戻すことを目指すのではなく、今できることを少しずつ積み重ねていきます。
⚠️ 精神症状がみられる場合
幻聴が聞こえる、強い被害的な訴えがあるなど、精神疾患が疑われる症状が主な場合は、当院でのOD診療ではなく、精神科または児童精神科へご相談ください。
「死にたい」「自分を傷つけたい」という訴えがある場合や、本人や周囲の安全を保つことが難しい場合は、通常の予約を待たず、速やかに精神科または救急医療機関へご相談ください。
📚 参考文献
🔸 日本小児心身医学会 編.『小児心身医学会ガイドライン集 改訂第3版―日常診療に活かす7つのガイドライン』南江堂,2025.
🔸 Boris JR, Moak JP. Pediatric Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome: Where We Stand. Pediatrics. 2022;150(1):e2021054945.
🔸 Vernino S, et al. Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome(POTS): State of the Science and Clinical Care From a 2019 National Institutes of Health Expert Consensus Meeting—Part 1. Auton Neurosci. 2021;235:102828.
🔸 Huynh P, et al. Management of Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome in Pediatric Patients: A Clinical Review. J Pediatr Pharmacol Ther. 2024;29(5).
🔸 Hebson C, Harberg M, Borasino P. Pediatric Orthostatic Intolerance—A Review With Focus on Recent Research. Curr Opin Pediatr. 2025.
当院受診後、以下の該当ページをご確認ください
起立性調節障害(OD)の生活療法睡眠・水分・運動・学校生活の整え方 (パスワード保護中)
起立性調節障害(OD)のリカンベントバイク運動療法 (パスワード保護中)
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起立性調節障害(OD)の複合運動プログラム(パスワード保護中)
