子どもの水筒、何を入れる?
水・お茶・スポーツドリンクの使い分け
🔸お子さんの水筒に何を入れたらよいか、迷うことがあると思います。
🔸水分補給で大切なのは、活動の時間・強さ・暑さ・汗の量に合わせて飲み物を使い分けることです。
🔸普段の学校生活や1時間程度の体育では、水やお茶で十分なことが多いです。
一方で、運動会、長時間の部活動、試合など、たくさん汗をかく場面では、スポーツドリンクを選びましょう。
① 普段の学校生活・1時間程度の体育のとき
🔸最高気温が30度前後までで、体育の授業が1時間程度までの日を目安にします。
🔸登下校、授業、休み時間、1時間程度の体育であれば、水筒の中身は水またはお茶で十分です。
理由
🔸1時間未満の運動では、水分補給が主な目的です。
🔸汗をかいた分の水分を補うことが大切で、水やお茶で十分に水分を補給できます。
🔸スポーツドリンクには糖分も含まれるため、普段の水分補給として毎日水代わりに飲む必要はありません。
水分摂取量の目安
🔸暑い環境で運動する場合の水分量の目安は、年齢によって異なります。
| 年齢 | 水分量の目安 |
|---|---|
| 9〜12歳 | 300〜750mL/時間 |
| 13〜18歳 | 1.0〜1.5L/時間 |
🔸ただし、これはあくまで目安です。気温、湿度、運動の強さ、汗の量、体格、体調によって必要量は変わります。
② 長時間の運動・部活動・試合のとき
🔸運動会、長時間の部活動、試合、暑い日の屋外活動など、2時間以上しっかり運動する場面を目安にします。
🔸たくさん汗をかく場合は、水分だけでなく、汗で失われる塩分や、運動で使うエネルギーの補給も大切になります。
水筒の中身
🔸スポーツドリンクを選びましょう。
🔸ポカリスエット、アクエリアスなどの市販のスポーツドリンクで構いません。
🔸長時間の運動では、電解質と炭水化物を含む飲料が、水分・電解質バランスや運動時の持久力維持に役立つとされています。
理由
🔸長時間の運動では、水分だけでなく、エネルギーと電解質の補給が必要になります。
🔸長く運動すると、汗で水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
🔸また、体内の糖分も使われていくため、エネルギー補給も大切です。
長時間の運動で必要になるもの
🔸エネルギー補給
長時間の運動では、体内の糖分が減ってきます。スポーツドリンクに含まれる炭水化物、つまり糖分は、運動中のエネルギー源になります。
🔸電解質補給
汗にはナトリウムなどの電解質が含まれています。たくさん汗をかく場合には、水分だけでなく、汗で失われるナトリウムなども補う必要があります。
🔸水だけでは不十分なことがあります
長時間の運動中に水だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が下がる「低ナトリウム血症」のリスクがあります。そのため、長時間しっかり運動する場合や大量に汗をかく場合には、スポーツドリンクが役立ちます。
スポーツドリンクの選び方
🔸市販のスポーツドリンクで問題ありません。
🔸ポカリスエット、アクエリアスなど、一般的に販売されているスポーツドリンクを使用できます。
| 成分 | 役割 |
|---|---|
| 炭水化物・糖分 | 運動中のエネルギー源 |
| ナトリウム | 汗で失われる電解質の補給 |
| 水分 | 脱水予防・体温調節 |
🔸一般的に、運動時の飲料としては、100mLあたり炭水化物6〜8g、ナトリウム約46〜69mg程度が目安とされています。
カリウムについて
🔸日本の一般的なスポーツドリンクは、カリウム濃度が低めです。
🔸ただし、これは必ずしも問題というわけではありません。
🔸カリウムは、スポーツドリンクだけで補うものではなく、運動の前後の食事からも摂取できます。
🔸また、小中高生の通常の学校生活や部活動では、成人アスリート向けの厳密な電解質組成にこだわりすぎる必要は低いと考えられます。
🔸カリウムについては、通常の食事からの摂取も含めて考えます。
カリウムを多く含む食品
| 食品の種類 | 例 |
|---|---|
| 果物 | バナナ、オレンジ、メロン、イチゴ |
| 野菜・いも類 | ジャガイモ、サツマイモ、ほうれん草、ブロッコリー |
| その他 | ヨーグルト、牛乳、豆類 |
🔸スポーツドリンクだけで栄養をすべて補おうとするのではなく、運動前後の食事も含めます。
共通して大切なポイント
運動前
🔸十分に水分を摂ってから活動を始めましょう。
🔸朝から暑い日や体育・部活動がある日は、登校前にも水分をとっておきます。
運動中
🔸のどが渇く前に、こまめに飲むようにしましょう。
🔸のどが渇いてからまとめて飲むより、休み時間や運動の合間に少しずつ飲む方がよいです。
🔸長時間の運動では、15〜30分ごとに180〜360mLを目安に飲む方法もあります。ただし、必要量は体格、汗の量、気温、運動の強さによって変わります。
運動後
🔸運動後も、汗をかいた分の水分を補う必要があります。
🔸体重が運動前より大きく減っている場合は、脱水の目安になるため注意が必要です。
🔸スポーツ栄養では、体重が1kg減っていれば、約1〜1.5L程度の水分を時間をかけて補う考え方があります。
🔸一度に大量に飲むのではなく、帰宅後から食事までの間に少しずつ補給しましょう。
食事
🔸バランスのよい食事も大切です。
🔸果物、野菜、いも類、乳製品などを含む食事をとることで、水分だけでなく、体に必要な栄養素も補うことができます。
避けるべき飲み物
🔸カフェイン入り飲料やエナジードリンクは、小中高生の運動時の水分補給には適していません。
避けたい飲み物の例:
•コーラ
•エナジードリンク
•カフェインを多く含む清涼飲料
🔸特にエナジードリンクは、水分補給を目的に飲むものではありません。学校生活や部活動の水筒には入れません。
注)経口補水液とは目的が違います
🔸スポーツドリンクと経口補水液は、どちらも水分や電解質を含みますが、目的が違います。
🔸スポーツドリンクは、運動や発汗時の水分補給に使う飲み物です。
🔸一方、経口補水液は、下痢や嘔吐、発熱などで脱水が心配される時に使う飲み物です。
🔸通常のスポーツドリンクとは異なり、脱水時の水分・電解質補給を目的として作られています。
🔸そのため、経口補水液を普段の水分補給や運動時の飲み物として使うことは適切ではありません。
まとめ
| 場面 | 水筒の中身の目安 |
|---|---|
| 普段の学校生活 | 水またはお茶 |
| 1時間程度の体育 | 水またはお茶 |
| 運動会 | スポーツドリンク |
| 長時間の部活動 | スポーツドリンク |
| 試合 | スポーツドリンク |
| たくさん汗をかく屋外活動 | スポーツドリンク |
| 下痢・嘔吐・発熱などで脱水が心配な時 | 経口補水液を検討 |
保護者の方へ
🔸水分補給は、「何を飲むか」だけでなく、「いつ飲むか」「どのくらい飲むか」も大切です。
🔸普段の学校生活では、水やお茶をこまめに飲むことを意識しましょう。
🔸長時間の運動やたくさん汗をかく日には、スポーツドリンクを選び、汗で失われる水分・塩分・エネルギーを補いましょう。
🔸また、スポーツドリンクには糖分も含まれます。
🔸普段から水代わりに毎日飲むものではなく、必要な場面で使うことが大切です。
🔸運動前後には、果物、野菜、乳製品などを含むバランスのよい食事をとり、飲み物だけに頼らない水分・栄養補給を心がけましょう。
参考文献
Pérez-Castillo ÍM, et al. Compositional Aspects of Beverages Designed to Promote Hydration Before, During and After Exercise. Nutrients. 2023.
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Capra ME, et al. Nutrition for Children and Adolescents Who Practice Sport: A Narrative Review. 2024.
Putukian M, Leclere LE, Herring SA, et al. The Adolescent Athlete and the Team Physician: A Consensus Statement. 2025 Update. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026.
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