インフルエンザワクチン:不活化ワクチンと点鼻型生ワクチン(FluMist®)のよくある質問

2026年は、はやめに接種したほうがいいですか?(クリックして確認)

当院では、9月11日からインフルエンザワクチンの接種を開始しています。2026年は例年より早く、秋田県でもインフルエンザの流行期に入りました。9月10日時点では県南部を中心に患者が増えており、今後の感染拡大に注意が必要です。
「まだ9月ですが、早めに接種した方がよいですか?」という質問を多くいただいています。
接種を急いだ方がよいお子さんと、受験や入学式などの大切な予定に合わせて接種時期を考えてよいお子さんに分けて考えます。

🟠 乳幼児・2回接種が必要なお子さん

日本では、生後6か月からインフルエンザワクチンを接種できます。13歳未満のお子さんは、原則として2回接種です。
接種間隔は2~4週間ですが、十分な免疫をつけるためには、できれば4週間程度あけて接種します。
2回目まで完了するには時間がかかり、接種後に免疫ができるまでにも約2週間必要です。そのため、2回接種が必要なお子さんは、流行が本格化してからではなく、早めに1回目を受けておくことをおすすめします。

🟠 特に乳幼児は早めの接種を
乳幼児は、インフルエンザに伴うけいれん、意識障害、脳症・脳炎などの神経合併症を起こしやすい年齢です。
なかでも5歳未満、特に2歳未満のお子さんは重症化リスクが高いため、接種できる時期になったら早めに受けておくことが大切です。
🟠 1回接種の年長児・受験生

秋田県ではすでにインフルエンザの流行期に入っているため、1回接種でよい年長のお子さんも、基本的には早めの接種をおすすめします。

ただし、受験、卒業式、入学式など、特に感染を避けたい時期が2月以降にある場合は、その時期にワクチンの効果を保ちやすくするため、地域や学校の流行状況をみながら接種時期を調整することもできます。

ワクチンの効果は接種後約2週間で現れ、その後は時間とともに徐々に低下していきます。接種を遅らせれば、それまでに感染する可能性もあるため、「大切な予定に合わせること」と「現在の流行から早めに守ること」の両方を考えて決めます。

🟠 12月~1月に受験や大切な行事がある場合
13歳以上で、1回接種のお子さんであれば、10月~11月頃の接種を検討します。
今年は流行の始まりが早いため、学校や地域で患者が増えている場合は、9月中の接種を検討してもよいでしょう。

🟠 2月~3月が最も大切な時期の場合
13歳以上で、1回接種のお子さんであれば、12月頃の接種を検討します。
接種後約2週間で効果が現れ、3月は接種から約3か月後となるため、大切な時期に効果を保ちやすいと考えられます。

🟠 3月末~4月の入学式などを特に重視する場合
13歳以上で、1回接種のお子さんであれば、12月以降の接種を検討します。
ただし、接種前に感染してしまう可能性もあります。
地域や学校で流行が拡大した場合は、予定していた時期まで待たず、早めに接種することも考えます。

🟠 迷ったときの目安

・乳幼児、特に5歳未満
行事の予定にかかわらず、早めの接種をおすすめします。
・13歳未満で2回接種するお子さん
2回目の完了まで時間がかかるため、早めに1回目を受けましょう。
・12月~1月に受験や大切な行事があるお子さん
10月~11月頃の接種を検討します。
・2月~3月が最も大切な1回接種のお子さん
12月頃の接種を検討します。
・3月末~4月の入学式などを重視する1回接種のお子さん
12月以降の接種を検討します。

🟠 接種時期は一人ひとり異なります

接種時期は、年齢、必要な接種回数、基礎疾患、園や学校での流行状況、大切な行事の日程によって異なります。
乳幼児、基礎疾患のあるお子さん、2回接種が必要なお子さんは、行事や受験に合わせて接種を遅らせず、早めに接種することをおすすめします。
迷う場合は診察時にご相談ください。

※ワクチンを接種しても感染を完全に防げるわけではありませんが、発症や入院、重症化のリスクを減らす効果が期待できます。

参考文献

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2.Committee on Infectious Diseases. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2025–2026: Technical Report. Pediatrics. 2025.
https://doi.org/10.1542/peds.2025-073622

3.Committee on Infectious Diseases. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2025–2026: Policy Statement. Pediatrics. 2025.
https://doi.org/10.1542/peds.2025-073620

4.Frankl S, et al. Influenza-Associated Neurologic Complications in Hospitalized Children. J Pediatr. 2021.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34293371/

5.Antoon JW, et al. Prevalence, Risk Factors, and Outcomes of Influenza-Associated Neurologic Complications in Children. J Pediatr. 2021.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34216629/

6.Fazal A, et al. Reports of Encephalopathy Among Children With Influenza-Associated Mortality—United States, 2010–11 Through 2024–25 Influenza Seasons. MMWR. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40014654/

7.Whitaker HJ, et al. Effectiveness of Influenza Vaccines and Duration of Protection Against Hospitalisation in England: 2022/2023 and 2023/2024 Seasons. Influenza Other Respir Viruses. 2025.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/irv.70194

🌈インフルエンザ不活化ワクチンについて

小児におけるインフルエンザHAワクチンの有効性や安全性について(クリックして確認)

🔄インフルエンザHAワクチンの接種回数と間隔、接種時期

接種回数の目安

• 13歳以上65歳未満の方、65歳以上の高齢者には、通常1回接種
• 免疫が著しく抑制されている方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。


2回接種の場合の接種間隔
• 早期産児も歴年齢で接種します。
• 13歳未満の子どもは、通常2〜4週間の間隔で2回接種します。
• できれば3〜4週間あけると免疫獲得に効果的です。
• 主な副反応は注射部位の腫れや発熱であり、重篤な副反応は報告されていません。
• 乳幼児はインフルエンザによる重症化リスクが高いため、接種は重症化予防に有効です。
• 生後6カ月未満の乳児には接種できません。妊婦さんへの接種により出生児にも免疫効果が期待できます。
• 熱性けいれんのあるお子さんも接種可能です

インフルエンザHAワクチンの2回接種における間隔と接種時期について (クリックして確認)

•米国小児科学会(AAP)では、インフルエンザHAワクチンを初めて接種する小児に対し、1回目から4週間以上の間隔を空けて2回目を接種することを推奨しています。
なお、4日間の猶予期間が認められており、最短で25日後(3週+4日)に接種しても有効とみなされます

• 日本の推奨と実際の運用

• 日本では、2〜4週間隔での2回接種が推奨されており、2週間後の接種も広く行われており容認されています。
AAPは、免疫応答を最も高めるために最低4週間の間隔を推奨しています。 この間隔を空けることで、1回目で免疫を誘導し、2回目で防御力を最大まで引き上げる(=ブースト効果を十分に発揮する)ことができます。結果として抗体産生と臨床的な予防効果がより高まります。
• 日本国内の複数の臨床研究では、2〜4週間隔での接種が有効であり、2週間後の接種でもワクチン効果が低下するという証拠はありません。
• この推奨は、日本の免疫原性データと実際の有効性に基づいており、2週間後の接種は日本では妥当とされています。
• また、日本でも「最遅の接種時期」は明確に定められておらず、流行前に接種完了することが最優先とされています。

1. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2023-2024. Pediatrics. 2023;152(4):e2023063772. doi:10.1542/peds.2023-063772. 
2. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2024-2025: Policy Statement. Pediatrics. 2024;154(4):e2024068507. doi:10.1542/peds.2024-068507.
Practice Guideline New Research
3. Effectiveness of Inactivated Influenza Vaccine in Children by Vaccine Dose, 2013-18. Shinjoh M, Sugaya N, Furuichi M, et al.
Vaccine. 2019;37(30):4047-4054. doi:10.1016/j.vaccine.2019.05.090.
4. Effectiveness of Influenza Vaccination Among Children in Satellite Cities of a Metropolitan Area in Tokyo, Japan During the 2014/­2015-2018/­2019 Season. Matsuda A, Asayama K, Obara T, Yagi N, Ohkubo T.
The Tohoku Journal of Experimental Medicine. 2022;258(1):69-78. doi:10.1620/tjem.2022.J057.
5. Influenza Vaccination in Japanese Children, 2024/­25: Effectiveness of Inactivated Vaccine and Limited Use of Newly Introduced Live-Attenuated Vaccine. Shinjoh M, Tamura K, Yamaguchi Y, et al.Vaccine. 2025;61:127429. doi:10.1016/j.vaccine.2025.127429.
6.2023–2024年 小児におけるインフルエンザ予防と対策に関する推奨
Pediatrics. 2023;152(4):e2023063772. doi:10.1542/peds.2023-063772.
7.2024–2025年 小児におけるインフルエンザ予防と対策に関する政策声明
Pediatrics. 2024;154(4):e2024068507. doi:10.1542/peds.2024-068507.
8.2013〜2018年における小児のインフルエンザワクチン接種回数別の有効性
Shinjoh M, Sugaya N, Furuichi M, et al.
Vaccine. 2019;37(30):4047–4054. doi:10.1016/j.vaccine.2019.05.090.
9.東京都近郊の衛星都市における小児のインフルエンザワクチンの有効性(2014/15〜2018/19)
Matsuda A, Asayama K, Obara T, et al.
Tohoku J Exp Med. 2022;258(1):69–78. doi:10.1620/tjem.2022.J057.
10.2024/25年 日本の小児におけるインフルエンザワクチンの有効性と新規導入された生ワクチンの限定使用
Shinjoh M, Tamura K, Yamaguchi Y, et al.
Vaccine. 2025;61:127429. doi:10.1016/j.vaccine.2025.127429.

Q:ワクチン接種間隔・同時接種について

A: 2020年10月以降、インフルエンザHAワクチンと他のワクチンの接種間隔の制限がなくなりました。新型コロナワクチンも2022年7月から同様で、同時接種が可能です。

文献(クリックして確認)


インフルエンザワクチン接種後の効果発現時期と持続期間について

🟠 効果の発現時期
接種後約2週間で免疫効果が現れます。抗体が十分なレベルに達するのは接種後14日頃です。

🟠 効果のピーク
接種後2~4週間で効果のピークに達します。

🟠 効果の持続期間
ワクチンの効果は接種後約2週間で現れ、その後は時間とともに徐々に低下していきます。一般に効果の持続は5~6か月程度が目安とされますが、ある時点で急に効果がなくなるわけではなく、年齢や流行するウイルスの型によっても効果の減衰速度は異なります。

🟠 型による違い
特にA型(H3N2)は減衰が早く、月ごとに約7%ずつ効果が低下する傾向があります。

🟠 個人差
抗体応答には個人差があり、約半数は弱い反応しか示さない一方、強く持続するケースもあります。

🟠 接種のタイミング
最適な予防効果を得るには、流行開始前(例年10月末まで)に接種を完了することが推奨されています。

この内容は、米国小児科学会(AAP)および予防接種諮問委員会(ACIP)の最新ガイドラインに基づいています。

文献(クリックして確認)

1. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2023-2024. Pediatrics. 2023;152(4):e2023063773. doi:10.1542/peds.2023-063773.
2. Prevention and Control of Seasonal Influenza With Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices - United States, 2024-25 Influenza Season. Grohskopf LA, Ferdinands JM, Blanton LH, Broder KR, Loehr J.
MMWR. Recommendations and Reports : Morbidity and Mortality Weekly Report. Recommendations and Reports. 2024;73(5):1-25. doi:10.15585/mmwr.rr7305a1.
3. High-Resolution Antibody Dynamics Following Influenza Vaccination Reveal Predominantly Weak Responses as Well as Infrequent but Durable Immunity Across the 2014-2022 Seasons. Lane A, Quach HQ, Ovsyannikova IG, et al.
Vaccine. 2025;:127677. doi:10.1016/j.vaccine.2025.127677.
4. Intraseason Waning of Influenza Vaccine Protection: Evidence From the US Influenza Vaccine Effectiveness Network, 2011-12 Through 2014-15. Ferdinands JM, Fry AM, Reynolds S, et al.
Clinical Infectious Diseases : An Official Publication of the Infectious Diseases Society of America. 2017;64(5):544-550. doi:10.1093/cid/ciw816.


Q: インフルエンザHAワクチン接種後の副反応と対処方法について

A: インフルエンザHAワクチン接種後には、接種部位の赤みや腫れ、痛みなどの反応がみられることがあります。これらは通常2〜3日で自然におさまります。まれに、発熱や倦怠感、頭痛、寒気、発疹、じんましんなどの全身症状が出ることもあります。
• 接種部位が熱を持ったり腫れが強い場合は、冷たいタオルなどで冷やしてください。硬くしこりのように残ることもありますが、時間とともに軽快します。
• 発熱がある場合は、冷却や解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使用して様子を見ましょう。いつもと違う症状が出た場合は、早めにご相談ください。

以下のような状態の方は、接種を控えることが推奨されています

• 37.5℃以上の発熱がある
• 重い急性の病気にかかっている
• 過去にワクチンでアナフィラキシーを起こしたことがある
• 定期接種後2日以内に発熱や全身性の発疹が出た(※任意接種は除く)

ただし、接種部位の赤みや腫れ、軽い発熱などがあった方でも、再接種は可能です。医師と相談のうえ、接種を検討してください。

痛みを軽減するための工夫

接種時の痛みや不安をやわらげるため、以下のような方法があります。

・不安を高めるような言葉を避ける
・気分が悪くなったり、失神したことがある方は横になって接種する
皮下深く、60〜90度の角度で行うことで、腫れなどの反応が軽くなる可能性があります。筋肉内接種の方が皮下接種よりも反応が少ないとされています

副反応が疑われる場合の報告について(クリックして確認)

・インフルエンザHAワクチン接種後に副反応が疑われる場合、医療機関では国の定める基準に従って報告を行っています。報告内容は厚生労働省の専門部会で評価され、公開されています。
2023/2024シーズンでは、約5,400万回の接種のうち、医療機関からの報告は57例(うち重篤例34例、死亡例5例)でした。非常にまれなケースですが、万が一の際には適切な対応が取られています
ご不安な点がある場合は、接種前後に医師や看護師へ遠慮なくご相談ください。安全で安心な接種のために、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

文献(クリックして確認)

妊娠中のインフルエンザワクチン接種について(クリックして確認)

🟠インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)

妊娠中のすべての週数で接種可能です。
米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、妊娠初期・中期・後期のいずれでも接種を推奨しており、母体と赤ちゃんのインフルエンザによる合併症を予防するために重要とされています

🟠三種混合(Tdap)ワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳)

推奨される接種時期は妊娠27〜36週の間です。
この期間の早め(27〜30週頃)に接種することで、胎盤を通じて赤ちゃんに抗体がより多く移行し、出生後の百日咳予防効果が高まるとされています。ただし、必要がある場合は妊娠中いつでも接種可能です。
なぜこの時期に接種するのか?

これらの推奨は、母体の免疫応答を最大化し、胎児への抗体移行を促進することで、生後すぐの赤ちゃんに受動免疫を与えるという科学的根拠に基づいています。
赤ちゃんが直接ワクチンを受けられるまでの間、最も感染リスクが高い時期に守るための重要な予防策です。

アレルギーを有する方へのインフルエンザHAワクチン接種について

🟠 卵の食物アレルギー・気管支喘息の方も、原則接種可能です
🟠 インフルエンザHAワクチンには**鶏卵由来成分が極めて微量(数ng/mL)**しか含まれておらず、卵アレルギーや気管支喘息などのアレルギーを有する方でも、安全に接種できるケースがほとんどです。

国内・米国の対応(予防接種ガイドラインより)(クリックして確認)

• 接種不適当者:
ワクチン成分によるアナフィラキシーの既往がある方

• 接種要注意者:
鶏卵・鶏肉など鶏由来成分にアレルギーのある方
喘息などのアレルギー疾患がコントロール不良の場合

• 接種時の留意点:
接種前に体調を整え、問診でアレルギー歴を確認
接種後30分間の院内観察と緊急対応体制の整備が推奨されます

• 喘息患者への接種:
感染症による喘息悪化を防ぐため、インフルエンザワクチン接種は有用とされており、ステロイド治療中でも多くの場合接種可能です(詳細は医師にご相談ください)

米国の対応(ACIP勧告より)

• 卵アレルギーの有無にかかわらず、インフルエンザワクチン接種は推奨されています
• 追加の安全対策は不要とされ、通常の接種と同様に対応可能
接種後は15分間の観察が推奨されています(失神などのリスク軽減のため)

文献

1)予防接種ガイドライン等検討委員会: 予防接種ガイドライン2024年度版. 公益財団法人予防接種リサーチセンター. 2024.
2)Greenhawt M, et al.: Ann Allergy Asthma Immunol. 120(1): 49-52, 2018.
3)Nagao M, et al.: J Allergy Clin Immunol. 137(3): 861-867, 2016.
4)「喘息予防・管理ガイドライン2021」作成委員: 喘息予防・管理ガイドライン2021. 一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会 監修. 協和企画. 2021.
5)CDC: MMWR Recomm Rep. 60(RR-2): 1-60, 2011.
6)Vasileiou E, et al. : Clin Infect Dis. 65(8): 1388-1395, 2017.
7)GINA : Global strategy for asthma management and prevention. 2020.
8)Committee on Infectious Diseases: Recommendations for Prevention and Control of Influenza in children. 2019-2020. Pediatrics.144(4): e20192478, 2019.

妊婦・授乳婦・妊娠希望者へのインフルエンザHAワクチン接種について

接種の意義とメリット

• 妊婦はインフルエンザに感染すると重症化しやすく、心肺機能への負担や胎児への影響が懸念されます。
• 不活化インフルエンザHAワクチンは妊娠全期間を通じて安全性が高く、世界的に接種が推奨されています。
• 妊婦が接種することで、胎盤を介して胎児に抗体が移行し、生後6か月までの乳児を守る効果が期待されます。
• 授乳婦が接種することで、母体の感染予防が乳児への伝播防止につながると考えられています。
不妊治療中でも接種可能であり、妊娠成立後の胎児への影響はないとされています。

接種時期の目安

• ワクチンの効果は接種後約2週間から約5か月間持続します。
• 日本のインフルエンザ流行は1月〜3月が中心のため、接種は10月〜12月中旬が理想的です。

安全性と注意点

• 副反応としての発熱や腫れ、倦怠感などの症状は、妊娠の有無にかかわらず同じ頻度で発生しています。
• 流産や早産、奇形といったリスクが増加したとの報告はありません。
• 授乳中の方が接種しても、母乳を通じて乳児に悪影響が及ぶことはありません。
• たとえ乳児に卵アレルギーがあっても、授乳している母親への接種は原則として問題ありません
• 母親自身が卵アレルギーで鶏卵の摂取を控えている場合は、接種の可否を慎重に判断します。

保存剤(チメロサール)について

• 一部のワクチンには防腐剤としてチメロサール(エチル水銀)がごく微量含まれていますが、胎児への影響はないと考えられており、自閉症との関連性も否定されています。
• 妊婦へのワクチン接種では、可能であれば防腐剤無添加の製剤を選ぶことが望ましいとされています。

Q:帯状疱疹・おたふくかぜなどのウイルス性疾患罹患後のインフルエンザHAワクチンの接種時期、効果、注意点について。また、家族や周囲の人が罹患した場合の対応は

ウイルス性疾患罹患後のインフルエンザ不活化ワクチン接種接種時期の目安 

• 軽症の場合
→ 症状回復後すぐに接種可能

• 中等症の場合
→ 治癒後約2週間程度あける

• 免疫低下する疾患(例:麻しん)
→ 治癒後4週間以降が目安

• 帯状疱疹の場合
→ 急性期を過ぎ回復傾向なら接種可能

家族・周囲の人が罹患した場合の対応

• 特におたふくかぜ後の無菌性髄膜炎や風しん後の血小板減少性紫斑病など合併症を誤解されないよう事前説明が重要
• 疾患の種類や流行状況に応じて判断
• 潜伏期間中の接種は副反応と誤認されやすいため慎重に行う

インフルエンザ罹患後のワクチン接種について

• ワクチン接種による予防は引き続き有効である
• 治癒後1〜2週間の間隔をあけて接種することが望ましい
• 流行期であっても体調回復後の早期接種が望ましい
• インフルエンザは複数の型があり、一度罹患しても別の型に再感染する可能性がある

 米国CDCの見解

• 回復期や潜伏期間中の接種でワクチン効果の低下や副反応増加は認められていない
• 軽症の急性疾患や回復期、抗菌薬治療中でも接種禁忌ではない
• 入院中でも中等度以下の疾患であれば接種推奨


Q:呼吸器、循環器、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患を有する方や周術期にインフルエンザHAワクチンを接種する際に注意すべき点を教えてください。(クリックして確認)

A: 1  基礎疾患を有する方はインフルエンザに罹患すると重症化しやすいためワクチン接種が強く推奨されます。
2  接種不適当者でなければおおむね安全に接種可能ですが基礎疾患や治療薬の影響と副反応の鑑別に注意が必要です。
3  慢性呼吸器疾患の患者では重篤な副反応はまれで喘息発作や間質性肺炎のリスクを踏まえて接種後の観察が必要です。
4  心血管疾患の患者は注射部位の痛みなどによる血圧変動や血管迷走神経反射に注意し抗凝固薬服用者は接種部位の出血にも配慮します。
5  インフルエンザワクチン接種は心血管イベントのリスクを低減するという報告もあります。
6  腎疾患患者特に透析患者は感染リスクや死亡率が高いため積極的な接種が推奨されます。
7  肝疾患患者は病状が安定していれば接種可能で血小板減少があれば注射部位出血に注意します。
8  自己免疫疾患患者や免疫抑制状態の患者は免疫応答がやや低下しますが安全性は報告されています。
9  脳血管障害や中枢神経疾患の患者はワクチン副反応との鑑別に注意が必要でてんかん患者は病状安定時に接種し発作予防策の説明が重要です。
10  糖尿病患者はやや効果が低いものの有効で入院や死亡リスクの低減に寄与し毎年の接種が推奨されます。
11  周術期の接種は症状判別が難しいため原則避けますが個別に検討し臓器移植患者は状態に応じて接種時期を決定します。
12  COVID-19罹患後は症状が軽快し感染性がなくなれば接種可能で同時接種も問題ありません。
13  医療機関外での接種は安全管理が整っていれば自宅等でも可能で免疫低下患者は十分な問診と観察が重要です。
14  これらを踏まえ適切な管理のもとで基礎疾患患者のインフルエンザHAワクチン接種は重要な感染予防策となります。

文献(クリックして確認)

Q: 健康な65歳未満の成人でのインフルエンザ予報接種の効果を教えてください(クリックして確認)

🧬インフルエンザ経鼻生ワクチンフルミスト®について

フルミスト®(生ワクチン:LAIV)の接種対象者と禁忌について
対象年齢は2歳以上19歳未満(2~18歳)で、接種は1回です。

接種できない方

  • 2歳未満または19歳以上の方
  • 明らかな発熱や重い急性疾患がある方
  • フルミスト®の成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • 明らかな免疫不全がある方、免疫を抑える治療を受けている方
  • 妊娠中の方

接種前に必ずお申し出ください

  • 喘息がある、または現在ゼーゼーしている
  • 鼻づまりが強い
  • 卵またはゼラチンで重いアレルギー反応を起こしたことがある
  • けいれんやギラン・バレー症候群の既往がある
  • 心臓、肺、腎臓、肝臓、血液などの基礎疾患がある
  • アスピリンなどのサリチル酸系薬を使用している
  • 最近、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザなどを使用した
  • 重度の免疫不全状態にある方と同居・密接に接触している

米国では、2~4歳で過去12か月以内に喘鳴または喘息の既往がある小児は、フルミスト®の接種対象外です。日本では一律に接種不可とはされておりませんが、当院では症状や治療状況を確認して判断します。
予約後に確保したワクチンは返品できないため、接種できるか心配な方は、予約前に医師へご相談ください。

アレルギーについて

フルミスト®には精製ゼラチンが含まれ、製造工程では発育鶏卵が使用されています。
卵アレルギーがあるだけで一律に接種できないわけではありませんが、卵やゼラチンでアナフィラキシーを起こしたことがある方は、必ず事前にお申し出ください。

接種後の注意

接種後、特に1週間程度は、ワクチン由来のウイルスによってインフルエンザ迅速検査が陽性になることがあります。鼻水・鼻づまり、咳、のどの痛み、頭痛、発熱、だるさなどがみられることがあります。
発熱などで医療機関を受診する際は、フルミスト®を接種した日をお伝えください。

接種後1~2週間は、重度の免疫不全状態にある方との密接な接触を、可能な限り避けてください。

文献(クリックして確認)

PMDA.フルミスト点鼻液 添付文書.2026年8月改訂(第6版)

PMDA.フルミスト点鼻液 患者向医薬品ガイド

Grohskopf LA, et al. Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices. MMWR.

American Academy of Pediatrics. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2024–2025. Pediatrics. 2024;154(4).

Turner PJ, et al. Safety of Live Attenuated Influenza Vaccine in Young People With Egg Allergy: Multicentre Prospective Cohort Study.

Turner PJ, et al. Safety of Live Attenuated Influenza Vaccine in Atopic Children With Egg Allergy. J Allergy Clin Immunol. 2015;136(2):376–381.

Greenhawt M, Turner PJ, Kelso JM. Administration of Influenza Vaccines to Egg Allergic Recipients: A Practice Parameter Update 2017. Ann Allergy Asthma Immunol. 2018;120(1):49–52.

Ali T, et al. Detection of Influenza Antigen With Rapid Antibody-Based Tests After Intranasal Influenza Vaccination (FluMist). Clin Infect Dis. 2004;38(5):760–762.